掛け算の順序問題 結論書きますね!

結論。掛け算記号「×」の定義は国際標準に決められているので、文科省だろうと先生だろうとお役人だろうと、ましてや有名な塾の先生だろうと大学の教授だろうと、勝手に独自解釈をしてはいけないのです。

例えば負の値の掛け算って、直感的にはわかりにくいですよね。りんご12個入った箱が4箱なら12×4な気がするけど、12×(-4)ってどういう意味ですかね。箱がマイナス4個?Aさんは「小学生にはわかりにくいこの×の定義は良くないから負の掛け算はしてはいけないと」と記号「×」を再定義したとします。

Bさんは0の掛け算はわかりにくいから0を掛け算に使ってはいけないと×を再定義したとします。Cさんは...、Dさんは...。みんなそれぞれ違う定義をしてしまったら意思疎通ができないですよね。そこで「×」という記号はどういう意味なのかを国際協定(IEC60050 102-01-18)で定義してあるんです。(https://www.electropedia.org/iev/iev.nsf/display?openform&ievref=102-01-18)

「×」という記号の意味はこの文章以上でも以下でもありません。この決まりを守る事を日本は世界貿易機構(WTO)のTBT協定として1995年に条約として批准しています。なので、「×」という記号に勝手に独自のルールを与える事は、たとえそれが教育に便利だろうと行ってはいけません。(もしやりたいなら違う記号、例えば「☒」とかを使うべきです)掛け算の順序が日本語的な表記方法に合わないからと(英語だとそもそも逆)テストでバツにするのはまずいでしょうね。(もしそのあたりが曖昧と思うならIEC60050委員会に働きかけて変えてもらう必要があります)

面白いのは四則演算のうち「÷」だけこの「IEC60050 102-01-18」に規定されてない事です。(国際標準で割り算は「/」なので)「÷」は独自解釈が許されるかもしれません。